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~散花~
第46章  夜更けに

玲利は、ふふっ…と笑った。

「でも私は、それでいいと思っているの。そりゃあ、全く気にならないと言えば嘘になるわ。あの子とあなたの間に、いったいどんな秘密があるのか」

それでも、と玲利は続けた。

「私からは、何一つ聞かないことにする」

「……なぜだ」

「あの子が何も言わないからよ。あの子が口を閉ざすということは、きっと、それは私が知るべき事実ではないということなのでしょう。私には、自分が立ち入るべきではないことにまで首をつっこむ趣味、ないもの」

「ずいぶん信頼関係があるんだな」

「それはそうよ、あの子は私にとってかけがえのない妹みたいなもの。そして、私の主人ですもの」

玲利はにやりと笑った。

「だから、私があの子の典侍としてここに居座ることは頑として認めてもらうわよ。どちらにしても、加蓮ひとりで第一夫人さまを守るなど限界があるのよ。今回のことでわかったでしょう?」

秀瑛は「むむむ」と唸ったものの、否定はしなかった。




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