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~散花~
第47章 魔物の栖
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芙蓉の前に、ティーセットが並べられる。
ソーサーに載せられた白い陶器のティーカップ。
「舶来ものの器でございますわ。西洋の貴婦人はこうして紅茶を楽しむのですって。芙蓉さま、ご存知でした?」
「え…ええ…」
芙蓉の目は、ティーポットから紅茶を注ぐ玲利の手に釘付けだった。
なみなみと淹れられたカップから、杏の香りが立ちのぼる。
玲利はティーポットを芙蓉の前に置き、別のティーポットから玉蘭のカップにも紅茶を注いだ。
芙蓉は頬を引き攣らせ、自分と玉蘭のカップを見比べた。
玉蘭はシュガーポットの蓋を開け角砂糖を1つ摘まむと、
「これを入れると、味がさらにまろやかになるんですって」
芙蓉のカップに落とした。
じゅわ~…と砂糖が溶けていく。
「どうぞ、お召し上がりくださいませ」
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