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第48章 　散花

(遅いなあ…)

｢ふわぁ…｣

思わず、あくびが出る。

(眠いし…)

よくよく考えたら、べつにこれから同衾するわけでも何か語らうわけでもないのだから、ここでお渡りを待つ必要はない気がする。

玉蘭はこっそり立ち上がった。

まさか外で警護している武官に聞こえるとは思わないけれど、念のため抜き足差し足、御局への戸口まで移動する。

と――




｢どこへ行く気だ｣

寝所の扉が無造作に開き、咎められた。