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衆人環視に濡れる姫刑事
第8章 衆人環視に濡れる姫刑事
汚い作業着のみすぼらしい男にいきなり抱え上げられた子供は火が点いたように泣き出し、
「リナ、リナぁ!」
半狂乱になった母親は我が子の名を呼び続ける。


騒ぎを聞きつけた野次馬に取り囲まれた犯人は思わぬ事態に焦りだし、腕の中の子供を命綱に見立てるように益々きつく抱き締めた。

「そんなことをしても罪が重くなるだけよ、子供を放しなさい!」

姫子としては穏やかに説得しているつもりだが、怯えきった犯人には脅しにしか聞こえない。




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