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迷路・・・Ver.K
第7章 重い空間
「暗室か?
それともカメラか?」
マシロは
俺の部屋に来たいだけだ
多分
ピザなんて
どうでもいい
「・・どっちも」
「ほんじゃ帰るか」
「はいっ」
あまり笑わない
マシロが
声をはずませ
笑むのを
ミラーで確認してから
俺は車を出した
なぜか
見入ってしまう
マシロの瞳を
必死で
見ないようにしながら
俺は運転した
それでも
時々
マシロを
覗くように
ミラーを見てしまうと
もう
マシロは
俺を見てはいなくて
窓から入る風が
心地いいいのか
それとも
俺の部屋に来るのが
そんなに
うれしいのか
マシロは
すこし
微笑んだまま
窓の外を眺めていた