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迷路・・・Ver.K
第10章 誘惑
「あの・・
すみません
何度も鳴ってたので・・・」
マシロは
申し訳なさそうに
視線を落とした
「おいユウヤ
わざわざ
教えてくれてんのに
その言い方ねーだろーが」
ユウヤの
冷たいものいいに
軽く
ダメだしをすると
「・・すんません」
そうユウヤは
言い残し
車に戻ってしまった
一瞬にして
重くなってしまった空気と
一瞬にして
重くなってしまった
俺の心を
なんとかしてくれ
「マシロ・・許してやってくれな
昨日から
アイツ、ちょっと
おかしいから」
「・・はい・・
すみません
余計なことしたみたいで・・」
「かまわねーよ
あいつがさっさと
出てればよかったんだ」
車に視線をやると
俺の方に
顔を向けず
携帯を耳にあてる
ユウヤが見えた
レイと
話しをしているんだと
思った
「神島さん・・」
「ん?」
「元気・・ないですね
体調悪いんですか?」
そう言って
マシロは
俺の隣に腰をかけた
「いや・・大丈夫だ」
風に
マシロの邪魔な前髪が
流され
俺を見る
マシロの瞳が
綺麗だった
「それなら
いいんですけど・・」
そんなに・・
見るなよ・・
「でも・・・ひどいクマ・・」
そっと
マシロが
俺の涙袋に触れた
近い
近いよ・・マシロ・・
「ありがとな・・マシロ」
そう言って
マシロに頭に
手をやると
マシロの瞳が
キラキラと
輝いたようにみえた
ドンっ!!
そして
ユウヤが
車のドアを閉める
大袈裟な音が聞こえた