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迷路・・・Ver.K
第10章 誘惑
「お前、仕事の前の日に

飲みすぎだぞ(笑)

女と飲んでたのか?」




そう言って
いつもふざけていた



女と寝てたかもしれない


そう思っていても



神島さんは
そうやって
俺にちょっかいを出していた





それなのに





ちっと控えろ・・・とか・・・





なんで
そんな言い方しか
してくれねーんだよ



なんで



俺を避けるんだよ・・。





打ち合わせを終えると
俺は
流しにコーヒーを流した


二日酔いには
コーヒーが
胃に刺さるようだった




流しの脇にある
鏡の中の自分をふと見ると
最悪な顔の俺が映っていた


最悪な夜を過ごした
翌日は



最悪だな・・・。





あ・・・・



やべぇ






俺は

首元の
見たくもねぇ・・痕跡をみつけて

更に心が重くなった





「ちっと、控えろ」




神島さんの言葉が
よみがえる



あれは・・

酒のことじゃなかったんだ







くっそ・・・






ドンっ!!





俺は
チカラまかせに
壁を一度叩いた


それでも
自分にイラ立つ気持ちが
抑えられず



俺は



腰に巻いていた
シャツに袖を通して
痕跡を隠し



奥歯を噛みしめながら

スタジオにもどった




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