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迷路・・・Ver.K
第10章 誘惑
忘れる
忘れられる
きっと
忘れられる
忘れなきゃ
いけないんだ
「・・・神島さん・・」
マシロは
隣に座った途端
黙りこくり
そして
俺の目を
長い前髪の向こうから
覗きこんだ
「どうした?酔ったか?」
酔ってるのは
俺だ
「子供扱い・・しないでください」
あ・・・前に
聞いたセリフ
「してないよ」
そう言って
背中から手を回し
マシロの頭を
ぐしゃっとやる
「・・だから・・それが・・」
少し瞳が潤み
マシロが
マシロでなくなる瞬間を
見た気がした
「わかってる」
「子供じゃない・・」
忘れる
・・・忘れる・・ため