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迷路・・・Ver.K
第3章 マシロ
黙々と
カメラをいじる
マシロを遠巻きに見ながら


ピザ屋に
電話を入れた


30分で
できると言われたけど


1時間後に
配達してくれと
頼んだ




マシロの手入れが終わるまで
あいつは
カメラを
手放しそうになかったからだ




手入れに使う道具
ひとつひとつすら

記憶するように
じっくりと
観察しながら
手入れをすすめるマシロ


そんなマシロの動き
ひとつひとつから



俺は


目が離せなくなっていた




お互い何も
話さない




静かな



時間




マシロの
手から生まれる
音だけが
聞こえる




妙な・・・空間




でも

なぜか




俺の胸が
あったかくて


なんだか
マシロが
妹や姪のように
思えて



微笑ましくて・・・・




「あ、マシロ?」



「は、はい」



突然、名前を呼ばれて
マシロは驚いて
俺を見た



「ちょっと・・貸してみ?」



俺は
マシロの横に
あぐらをかいて座り

マシロの手から
カメラを取り上げた



「ここはな・・・

この角度からやると
うまくできるんだよ


ほら


こうして・・・」




俺がいつもしている
手入れの仕方を
マシロに教えてやる



「俺もな
ずっと前は

お前と同じやり方で
やってたんだよ

でも


こうした方が・・・


やりやすい



だろ?」




マシロは
膝立ちになって
俺に近づき

カメラを
覗きこんだ


俺の指示する場所を
しっかりと
覚えたいんだろう

顔を寄せて

俺と同じ目線で
カメラを見ようとする




マシロ




マシロ?





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