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執事とお嬢様の禁断の模様
第6章 真相



 あれから1時間…


 私は腕時計の文字盤を見てため息を吐く。


 まだ目を覚まさないのか……?



 私は妃奈浬に視線を戻した。



「…っ……」

「……!」



 なんと、妃奈浬の目がうっすらと開かれた。

 こっそりと安堵のため息を吐く私。



「…しゅう…いち……?」

「お嬢様…よかったです。目が覚めましたね」



 私が声を掛けると、妃奈浬は
なぜか嬉しそうに満面の笑顔で私に笑いかけた。


 幼い子供のように笑っている。



 …可愛い……


 久しぶりに見た、妃奈浬の笑顔。


 思わず抱き締めてしまいそうになるほど、愛しい笑顔だ。


 でも、熱で苦しいはずなのに
なぜ笑って……?



 妃奈浬はベッドから起き上がり、
嬉しそうににっこりと笑う。




「お嬢さ… ?!」






 ぎゅっ…




 えっ……?



 思わず固まる私。





 私は一瞬なにが起きたのか
わからなかった。







 なぜ…


妃奈浬は私に抱きついている…?




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