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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志
「ま、まっ…お、おし? 私が…!?」


 私は沙耶香の言葉を、頭の中で反芻する。
 しかし、ただ思考が絡まっていくだけで、
どんどん混乱していくのが、自分でもわかった。


「………」

「えっ妃奈浬? 大丈夫? 顔真っ赤だよ! 
冗談だよ、ごめんね。まさかそんな、想像しちゃうなんて……」

「……えっ、じょ、じょうだ…ん…?」


 私はハッと我に返って、もう一度考えをめぐらせる。


「うん、そう冗談。ごめんね~」

「…じょ、冗談……ハッ」


 冗談だったのにいちいち想像してしまった自分が恥ずかしくて。
 自分の顔がみるみる耳まで熱くなるのを感じた。


「じょっ、冗談なら、先に言ってよ! 恥ずかしいよ!」

「ごめんねっ。…でも、想像しちゃったってことは、
妃奈浬って意外とエッチなんだ~…」

「えっ…!?!?」


 なっなんてこというの?!
 そんなにこにこして私を見ないで~っ!


「うふふ、真っ赤だよ?」

「いっ、言わなくていいから!!」

「赤くなったり青くなったりおもしろーい。個室でよかったね? 
じゃなかったら皆にすごく注目されてるところだよ」

「頼むから…おもしろがらないで~」


 私は今にも泣きそうな声で沙耶香に哀願した。


「あ、ごめんね! またからかっちゃった」


 すると沙耶香は苦笑いで謝ってくれた。


「…べ、別にいいけど……」

「ごめんね、ありがとう!」


 私が油断すると、沙耶香はまた無垢ににこっと笑って


「…でも、やっぱり妃奈利もシたいんだ?」


 と、言ってきた。


「…~っ!?」


 だけれど、今度はなぜかさっきほどは驚かなかった。
 顔は熱くなったけど……

 ずっと望んでいることだから、かもしれない。

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