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執事とお嬢様の禁断の模様
第6章 真相
「…そんな顔しても、ダメです……
お嬢様は病人なのですから、
きちんと安静になさってください」
「びょう…にん…? なにいってるの?
しゅういち…わたし、げんきだよ」
「いえ…熱があるのですよ。
それもわかりませんか…?」
「……?」
妃奈浬はなんのことか
さっぱりわからないようだ。
きちんとしゃべれてもいないというのに……
今度は妃奈浬にもわかるくらい、
小さくため息を吐いた。
やはり、熱のせいか……
「ねぇ、キスして……」
「言っても、ダメです……
そもそもお嬢様が、
触れるのを禁じたのではありませんか」
妃奈浬はしおれた花のように、
しゅんとしてしまった。
「…それは、げんじつでのことだもん……
ゆめのなかでも、ふれてくれないの……?」
「え……?」
夢……
熱のせいで、夢を見ていると
勘違いしているのか?
「わたし…このごろね、
しゅういちのゆめを、よくみるの……」
「私の夢を…?」
妃奈浬は悲しそうに顔を歪めた。
「うん…でも、ね、
しゅういちはなにもいわないで、
わたしからはなれていっちゃうの……」
「……っ」
妃奈浬の目がだんだんうるんできた。