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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志
「えっとね…小学生の頃…かな。5年生ぐらいのとき」

「えっ、そんな早かったの…!? 私なんて、中学2年生のときなのに……」

「うん。ああ、そういえばその頃に妃奈浬に相談されたね」


 沙耶香は昔を思い出しているのか、遠い目をした。


「そういえば、そうだったね…懐かしい」

「うん……」

「……ねぇ、話を元に戻すけど…」

「うん?」

「それで……沙耶香はどうしたいの? 告白するの?」


 私が話を促すと、沙耶香は再び真っ赤になって、もじもじしだした。


「ま、まだそんな告白とか…考えてないし……想ってるだけで十分かなって…
…それに孝博さんは執事…だし、言っても困らせるだけだから…」

「そんなことないよ。沙耶香は可愛いし…
女の子に好きって言われていやな男の人なんていないよ」

「うん…ありがとう。でも…やっぱり私と孝博さんはお嬢様と執事。
だから…関係がばれちゃうと孝博さんにも迷惑がかかるし。
第一…孝博さんは、私のことなんとも思ってないんだろうし……」


 自信なさげに話す沙耶香の目は、どこか切なそうだった。

 沙耶香が悩んでいても、なにもしてあげられない私。
 なんだか、もどかしい気持ちになった。



「さや〔キーンコーンカーンコーン……〕


 沙耶香…と言いかけたところで予鈴が鳴った。


「「えっ」」


 私と沙耶香は思わず、口をそろえてしまった。

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