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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志
結局授業には遅れてしまって、私達は放課後職員室に呼び出しされた。
くどくどお説教の上に特別マナー授業を追加され、
しごかれて、もうヘトヘト。
<お嬢様とはいつでもおしとやかに、余裕を持って行動しなくてはなりません。
なのに、なんですかあれは! 廊下を走らないのは、基本中の基本でしょう!
あなた達の足音が遠くからでも聞こえましたよ!?
あなた達はもう少しマナーを学ぶべきです!
今日あなた達には、居残ってもらいますからね! 覚悟しておきなさい!!>
「…はぁ~……」
重いため息を吐く私。
思い出すだけでも、身体が重くなる。
「ごめんね、妃奈浬…話に夢中になっちゃって。
結局帰るの1時間くらい遅くなっちゃったね…」
「ううん、話に夢中になってたのは私だよ。私こそ、ごめん」
私は沙耶香に苦笑いした。
すると、沙耶香も苦笑い。
「う~ん、じゃあどっちもどっち…かな」
「あはは、そうだね」
「うん」
時間が遅くなった割には、ゆっくりと歩く私達。
疲れてるせいかもしれないけど……
校門への道のりは長いから、この調子だと10分はかかりそう…
そういえば、浅葱どうしてるかなぁ…
秘密の関係のこともあって、学校まではついてこないように言ってるけど…
1時間も遅れたんだもん、きっと今頃どこかで捜し回ってるよね…
あとで謝っておかなくちゃ。
いつものところにいなかったら、電話かけよう……
「ねぇ、沙耶香」
「? うん」
「さっきのこと…また話してもらうからね」
「う、うん…妃奈浬こそ、ね」
「沙耶香が話してからだよ?」
「はいは~いわかりましたよ」
と言ってにこにこする沙耶香。
「…まあ、次はちゃんと時間気にしなきゃだけど……」
「そうだね~」
「そうだねって…沙耶香は怒られないの?」
「ん? それは怒られちゃうよ~優しくてもそういうことに関しては、
鬼だもん孝博さん」
沙耶香はまたにこにこしながら答える。
「あ~…そんな感じするね…。沙耶香って、怒られるの好きなの?」
と私は沙耶香に聞く。