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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志
「……愛してますって、言ってくれたけど…でも、
あれ以来言われてないから…不安で……」
「………」
「…一体私のどこが好きなのか……わからなくて…」
「………」
沙耶香と目も合わせないまま、うつむきながら話す私。
沙耶香は黙ったまま、聞いてくれてる。
そう、私が中2のとき、私は浅葱が好きなんだってことに気づいて
そのとき仲がよかった沙耶香に話した。
それで背中を押されて想いを伝えたんだけど…
浅葱はことごとくそれをかわして、はぐらかし続けた。
最後は私のアタックに根負けしたのか、正直に返事をくれたけど……
私はあのときのことを、思い返す…――
<あのね、私……あ、浅葱のことが…好き…みたい>
そう沙耶香に告げたのは、私が中学二年生になって、
比較的新しいクラスにもなれてきた頃のこと。
いつもは沙耶香からお昼に誘ってくれるけれど、その日は私から、
個室を取ろうと言って、沙耶香を誘った。
はっきり言うと、言うのは不安だった。
でも…1人で抱えるのは、辛かったから……
私はドキドキしながら沙耶香の反応をうかがった。
でも、沙耶香は少し驚いた顔をしただけで、変な顔一つせず、
優しく笑いかけてくれた。
今思うと、沙耶香も私と同じ立場だったからだと思う。
それで沙耶香は色々相談に乗ってくれて、勇気づけてくれて……
沙耶香のおかげで、想いを伝えることができたと言っても、過言ではない。
しかし、私が勇気を出して想いを伝えても、問題になったのは浅葱の態度。