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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志

<私、浅葱のことが好きなの!>


 と勇気を振り絞って言っても、浅葱は少し驚いた顔をしたあとに


<ありがとうございます。光栄です>


 とかなんとか言うだけで、全然相手にしてくれなかった。

 そのあと適当に話を変えられて、結局ははぐらかされる。


 何回かチャレンジしてみても、その繰り返しで……

 さすがに沙耶香もそこまではどうしようもないのか、
ただ励まして、応援してくれた。


 最終的にはそれを何回か繰り返した挙句、私が浅葱の前で泣いちゃって、
ようやくはぐらかしたわけとか返事とか聞かせてもらって、
なんとかまとまったんだけど……

 正直、今思い出しても辛い思い出だ。



 そんなことを思い返してハッと現実に戻ると、
沙耶香が顔を少し赤らめながら、にっこにこで構えていた。


「えっと……なに?」


 困惑しながらも沙耶香に話しかける私。


「……妃奈浬ってほんと…」

「…ぇ…っ!?」

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