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執事とお嬢様の禁断の模様
第8章 最後に……

「複数経営していた会社もすべて
上手くいっていたんですが、
ある日1つの会社で大きな失敗をしてしまい、
信用がなくなり企業が破綻してしまって…
色々な積み重ねで、払い切れないような
膨大な借金が出来てしまいました。
社員も逃げ出してしまい、日々のストレスが募って、
父はついに倒れてしまったんです。
病院で検査してもらいましたら、
末期の胃がんで…
遺書によると、父は死の恐怖に負けて
自殺してしまったようです。
ですが父は、その会社に思い入れがあって……
それを立て直して欲しいと遺書を書き、
それで…首を吊って自殺したんです」
「っ……」
そんな大変だったの……?
だが私は秀一の話を聞きながらも、
なんで秀一が執事になったのかが気になっていた。
「父が死んだあと、私と母に借金が行き、
私と母は2人で働いて借金をなんとか返そうとしました。
…ですが、母は父が死んでから次第に
元気がなくなっていき、寝込んで、
最終的には喘息で永眠しました。
…私が、12歳のときのことです」
苦々しく顔を歪める秀一。
秀一にそんなことがあったなんて知らなかった…
じゃあ、私と同じで
小さい頃に両親を亡くしてるんだ……
そう思うと、胸が苦しくなった。

