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執事とお嬢様の禁断の模様
第8章 最後に……

「母が死ぬと…借金は私に回ってきました。
ですが私はまだ子供…1人ではなにをすることもできません。
身体を売るという話も出ていたころ…
父とは知り合いだった、あなたのお父上が
私を引き取ってくれたんです。
…私はお嬢様に執事として働くことが条件と
言いましたが…本当は、私が働かせてくださいと
無理に頼んだんです。
借金分は、どうしても自分で返したかったので…。
私は1年ほどで執事としての教養を身に着けました。
するとあなたのお父上が私に、
まだ幼かった妃奈浬お嬢様の執事を任せてくださったのです。
…ですから私は、その借金を返すために執事をやっていたのです」
「っ……」
ズキン…
やっていた、と過去形になっていて、胸が痛んだ。
そうだ…秀一、明日帰っちゃうんだよね……
それからは、きっとずっと会えない……
急過ぎるよ…心の準備なんて、出来ない……
また涙がにじんできた。

