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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志
ちょうどそのとき下駄箱についたので、私達は靴を履き替えた。
「それにしても……ここ、下駄箱って言えないよね…すごく豪華……」
「うん、そうだね…洋風だしね」
「うん」
小学校は普通の学校だから、いまだに「下駄箱」と言っている私。
白い下駄箱があるなんて知らなかった私は、これを初めて見たときはすごく驚いた。
上品でありながらきらびやかな装飾が施され、
見た目高級そうな下駄箱は、もはや下駄箱と言うと強烈な違和感がある。
絶対に、「靴箱」だろう。
私は靴を履いたままつま先を床にトントンとつけてつま先を合わせると、
すでに履き終わっていた沙耶香と共に昇降口に向かう。
「それにしても……昇降口とかもほんと豪華だよねぇ…」
「そうだね…赤い絨毯の上なんか歩いてると、まるで偉い人みたい」
そう、昇降口には高級そうな赤い絨毯がしいてある。
結構フカフカで気持ちいいけど…ちょっと気恥ずかしい。
「あ~でも私達って、一応お嬢様だよね? 意識薄いけど。
沙耶香はお嬢様っぽいけどね」
「そんなことないよ~妃奈利のほうが可愛いからお嬢様っぽいよ」
「そういう問題なの?」
2人してクスクスと笑いながら昇降口を通り過ぎて駐車場をしばらく行くと、
浅葱と孝博さんが車のそばで待っていた。
あとなぜか、英語担当の佐藤菜摘(さとうなつみ)先生も……
あ、浅葱……まだいてくれたんだ…。でもなんで、先生と一緒なの…?
「妃奈浬」「沙耶香」「「お嬢様!」」
浅葱と孝博さんの声が重なった。
浅葱と孝博さんは、少しお互いに視線を置いてから、私達の方に視線を戻す。
私達は小走りでお互いの執事の下に向かった。