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執事とお嬢様の禁断の模様
第2章 同志
 ここは名門、咲岡女学院。
 当然、教師も優秀でなければいけない。技術や経験だけでなく、
容姿さえも重要視される。
 だから言い換えれば咲岡女学院の教師はみな、『美形より』なのだ。

 浅葱は優秀で性格もいい上に、容姿端麗ときた。
 ここの女教師たちが、そんな浅葱を放っておくはずがない。
浅葱は、ここでも大人気なのだ。


「? 妃奈浬お嬢様?どうかされましたか、どこか具合が…」

「ううん、大丈夫。なんでもないの」


 私が笑ってごまかすと、浅葱は「そうですか…」と、少し心配そうな顔をした。

 あぁ…今の、苦笑いになっちゃったかも……


「菜摘先生、私達はこれで、帰りますので…」

「あら、そうですか。ではまた明日ですね。浅葱さん、妃奈浬さん、さようなら」


 相変わらず笑顔のまま、控えめに手を振る菜摘先生。


「あ、はい。さようなら」


 私も手を振り返す。


「では、さようなら」


 浅葱は軽く会釈をし、私を車に乗せて、家へと向かった。


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