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執事とお嬢様の禁断の模様
第9章 あなたがいない未来



「とても…儚いです。お嬢様は……

 先程、雪を眺めていらっしゃったときは、
 まるで雪と一体化しているようでした……」

「…どういう意味……?」



私が問うと、京子さんは不安そうに眉をひそめた。




「雪は、宙にあるときは綺麗なのです。
 ですが、すぐ溶けてしまうでしょう…?」

「…あ……」




京子さんの言いたいことが少しわかった気がした。



京子さんは続ける。




「秀一さんと離れてからお嬢様は…

 精神的疲労からか、肌が白くなってしまいました。
 そして笑わないようになって、だんだんと
 存在感が薄れていってしまいました……

 ……私の眼に映る妃奈浬お嬢様は、
 日に日に儚くなっていくようで……

 最後には消えてしまうのではないかと思えてきて、
 少し、怖いのです…」


「……!」





…確かに私、最近全然笑えてない……




外には出ているのに、肌も白くなってきた。




つまりそれって、
生命力が弱くなってきたってこと……?





そういえば、最近あんまり体調がよくない……


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