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執事とお嬢様の禁断の模様
第10章 心からの笑み 一枚の写真





「……カメラ?」


「あ…いえ、これではありませんよ」




それじゃないと聞いて取りあえずホッとしたが、疑問は残る。




「なんで…カメラを?」

「フフ……お嬢様、少しお願いがあるのですが…」

「え……?」




お願い…?なんの?



京子さんはまたフフッと微笑んだ。






「私が渡したものを見て、
もしお嬢様が元気を取り戻しましたら……

記念にお嬢様を撮らせていただけませんか?

秀一さんに送りたいのです」


「……?いいけど……」

「ありがとうございます」




京子さんは頭を下げる。




写真を撮らせて欲しいと頼んでくるくらいだから、
よっぽど自信あるんだ……



私はますます京子さんが今左手に
持っているであろうものが気になった。




京子さんの左手は、手に持っているものを
隠すように背中に回っている。


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