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執事とお嬢様の禁断の模様
第4章 更なる山道

泣きながら続ける沙耶香。
「なんかその人っ…孝博連れて行くって…! 聞かないの!
わっ…私には、代わりの執事連れてくるからって…っ! そんなの絶対イヤ!
それにね…っその人、なんだか意地悪そうでっ…自分勝手で!
孝博さんが幸せならいいっけど、
あんな人が孝博さんを幸せにできるとは思えない!
…だから本当はっ…なんとかしたいのっ! …ぅっ」
むせび泣く沙耶香。
どうしよう、私…どうすればいいの…?
沙耶香を慰めた方がいいのか、応援した方がいいのか。
それすらも私には…わからなかった。
私だって、もし秀一に婚約者ができて、秀一がどこかにいくことになったら…
絶対、耐えられないと思う。
でも、変に言ってもダメなのかな……
そんなことを考えていると、沙耶香はいきなり立ち上がった。
そして辛そうな顔で私に微笑む。
「妃奈浬…そろそろ予鈴鳴る時間だから、私…先に行くね」
「あっ……うん」
「…孝博さんには…言わないで、ね?」
「……うん」
沙耶香はそのまま、走って行ってしまった。
沙耶香……

