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執事とお嬢様の禁断の模様
第1章 遅刻しますよ
 私は仕上げに軽く髪を解くと、部屋を出た。
 ドアを開けたとたん、紅茶のいい香り……


 部屋から出て左に曲がると、浅葱が朝食を用意して待っていた。

「妃奈浬お嬢様、おはようございます。お待ちしておりましたよ」

「うん、おはよう」

「では、私はこれで……」

「あっ…ちょ…」


 さっさと行こうとする浅葱の服をつかんで、あわてて引きとめる私。


「ちょっと待って! いつも一緒に食べてるでしょ! 一緒に食べるの!」

「あ、申し訳ありません。そうでしたね。では私の分も持ってきます」

「もう……いつものことなのに忘れるなんて、疲れてるんじゃないの?」


 私が頬を膨らませて怒ったそぶりを見せると、浅葱はクスリを笑った。


「いえ、大丈夫ですよ。それに……」

「ぇっ……!?」


 浅葱はフワリと私の腰に手を回すと、いきなりキスをしてきた。


「…っ…」


 とても優しくて、大好きな浅葱のキス。
 甘いキスに、頭がクラクラする。

 キスだけでうずいてしまう私のアソコ…
 私って、いやらしいのかな……


 ぼぅっとしていると、いつの間にか私の口内に浅葱の舌が侵入してきた。


「~~っ…?!」


 初めてなわけじゃないのにまだ恥ずかしくて、抵抗する私。
 でも、女の私が男の浅葱に敵うはずもなくて…


「…んっ…んんっ……は…」


 すぐに浅葱は離してくれたけど、やめて欲しかったはずなのに、なぜか名残惜しい。
 私のアソコは濡れているのがわかるほど、びしょびしょ。
 恥ずかしい……


 妖艶な笑みのまま、浅葱は言葉を紡いだ。


「……それに、こうして妃奈浬お嬢様が癒してくださいますから…」

「……~っ?!」


 自分の顔に、一気に熱が集まったのがわかった。


「フフフ。お顔が真っ赤、ですね。妃奈浬お嬢様、とても可愛らしいですよ」


 余裕の笑顔で、さらりと言ってのける浅葱。
 その笑みに、耳まで熱くなった。


 実は私と浅葱は、相思相愛の仲。

 もちろん、主従の仲なのに、いけないことだってわかってるけど…
 でも、この気持ちは…どうにもならない。

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