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第3章 の

「優衣。プロだからわかってると思うけど。
イメージ戦略は初歩が肝心だ」
「だから？」
「俺たちの初歩は今日だ」

こいつ、何勝手なこと言ってんの？

「だから？」
「今日、仕事が終わったら俺の会社に来い。
俺も仕事を終わらせるからメシにいこうぜ」
「意味わからないんですけど・・・」
「わかんなくても良いから来い」

そういいながら、たぶんおエライさんもいたであろう
向こうのメンバーに合流してしずかは会社に帰って行った。

なんなの？
なんなの？この嵐のような半日は。

今までの自分の仕事のキャリアで１番大きな仕事の
相手が朝起きた時に隣に寝ていた男って。
どーなのよっ！

クライアントとは必要以上にかかわらない事に決めている。
私の仕事は、今日のクライアントが
明日のクライアントのライバル会社かもしれないからだ。

基本的に同業からの依頼の同時進行はない。

けど、仲良くなって仕事が終わっても連絡を続けていたら
次の仕事がライバル会社なんて事もないとは言えない。

それなのに。
プライベートで１番深いところに関わってきたしずかを
これからどうしていいのか・・・・
私は頭が痛くなった。