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キスマーク
第1章 口
そんなことを思いながら 相手の情報ももらう。

まずは名前を確認。
「加藤・・・げん?」
「しずか。玄と書いてしずかって読む」
「へ~・・・きれいな名前だね・・・」
「ありがと。でも俺自分の名前あんまり好きじゃないんだ」
そういいながら
イケメン・・もとい、しずかはすでにスーツに着替えていた。

腕のボタンをはめるしぐさ。
ネクタイを締めるしぐさ。
上着を羽織るしぐさに、ぐはっ。とやられる。

これが、男に魅力を感じるしぐさか。
確かに。

今まで男がいなかったわけじゃないのに
こんなに「着替える」と言う行為を下心アリアリで
見つめたのは初めてだ。

「もったいない。 いい名前なのに」
「小さいころ、よくからかわれたからね。女みたいだって・・・」

ああ。なるほどね。
小さいころって言うのは結構決めつけるもんだよね。
女みたいな名前。
男みたいな名前。って。



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