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マネキンなカノジョ
第5章 カノジョとお使い
 
「ただいま戻りましたぁ」

 同僚が一人、疲れた雰囲気で戻ってきた。

「いやぁ…。いきなり雨降り出して………」

「…課長?」

 横目で課長に視線を向ける。

「あ、いや…。分かってる…から………」

 今戻ったのは、社用車を使っていた同僚。

 自ずと、一台は社用車があるはずになる。

「と、とにかく…。迎えに行っても良いから……」

 課長の言葉を全部聞くまでもなく、既に出掛ける準備を終えていた。

「じゃあ、そういう事で……」

 部屋を出ていくまで、課長の顔色は悪い儘だった。

 急いで車に向かう。

「あ、美奈。あのさ…あの件……」

 途中でアイツと会う。

 悪いけど今は話してる暇は無かった。


…てか、確か…外出じゃなかった?


「…おーい。あの件さぁ…」

 何か言ってるけど、素通りして駐車場に向かう。

「…俺…何か…した?」

 悄気たアイツの呟きなんて聞こえてなかった。

「…うわ…」

 外に出たら、バケツをひっくり返した様な大雨。


…明日香…大丈夫よね…?


 取り敢えず、明日香が向かった会社に車を走らせた。
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