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マネキンなカノジョ
第5章 カノジョとお使い
 
 いつもアイツが心の中に居る。

 アイツが離れたくならないような女になろうとしてきた。

 えっちな下着も買った。

 お尻だって、受け入れられるようにした。

 悦ぶと言われれば、何だってするつもり。

 でも気が付いたら、アイツ以外のモノでよがったり乱れた。

 マゾっ気があると、他の男に気付かされた。

 全てアイツにされたかったししたかった。

 アイツの前で乱れたかった。

 なのに、放尿までする様な淫らな姿を晒したのは、初めて会った運転手だった。


…アイツは私をどう思ってんだろ…


 こんなに想ってても、振り返る気配すら見せないアイツ。

 触れてさえ来ないアイツ。

 傍に居ないアイツ。

 陰鬱な気持ちが渦巻く。

「…って、気にしない…。
 …今は何があっても、最後はハッピーエンドにする……」

 ザバッと音をたてて、両手を軽く握って立ち上がる。

 勢いでおっぱいがブルンッと揺れた。

「…なに…やってんの? アンタ………」

 美奈ちゃんがタイミング悪く、ガラッと扉を開けて入ってきた。

 意気込んで小さくガッツポーズをしてるトコを見られた。

「…何でもない……」

 ジトーと見られた儘、何事も無かった素振りで、再びチャプン…と浴槽の中に入った。
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