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マネキンなカノジョ
第6章 カノジョと砂浜
 
「…ここが…海か……」

「な、何…言ってんのよ……。
 初めてじゃ…ないでしょ…うぅ………」

 車の外で仁王立ちに眺めてたら、足元で蹲っている美奈ちゃんに突っ込まれた。

「…大丈夫?」

「…少しは…ね…」

 突っ込む余裕が出て来たみたいで安心した。

「ささっ。取り敢えず場所取り場所取りっ」

 言った瞬間には、荷物を持った先輩の姿は小さくなっていた。

「…なに…アレ…?」

「…さあ?」

 やたら先輩のテンションが高い。

 美奈ちゃんの呆れた様子の言葉に相槌をしてから歩きだした。

 まだ約一名は車の中で伸びていた。

「暑くて復活するでしょ」

 何だか美奈ちゃんが冷たい。

 でも、気にしないで先輩の所へと向かった。

「遅いっ、遅いよっ」

 ピョンピョンと跳ねてる先輩。

 既にパラソルから何からセッティング済みだった。

「砂は熱いし、陽射しも強いし仕方ないでしょっ」

 サンダルを履いていても、砂の熱さには参った。

 悪戦苦闘してる内に、美奈ちゃんは完全復活した模様。

「第一、何でそんなハイテンションなのよ?」

 ジトーと視線を向ける美奈ちゃん。

 パラソルの下に女の子座りで頷く。

「そ、そりゃあ…」

「…なに?」

 戸惑った先輩の視線を感じる。

「何か…怪しくない?」

 美奈ちゃんは、先輩の隣で腕組みしながら睨んでいた。

「い、いや。何も無いよ?」

 相変わらずチラチラと視線を向けられる。

「……?」

「と、取り敢えず、着替えてきなよっ。
 俺は荷物番してるからさっ」

 はぐらかされた感がいっぱい。

 仕方ないので、追及を諦めた美奈ちゃんと一緒に更衣室に向かった。


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