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マネキンなカノジョ
第6章 カノジョと砂浜
 
「…何だか…」

 チラッと視線を胸元に落とすと、顔が熱くなってくる。

「ちょっと…チャレンジし過ぎたかな…」

 白いビキニ。

「透ける事は無いだろけど…」

 ただ、胸も腰周りも白い日焼け跡が食み出している。

 いつもより、少しばかり布地を少なくしてみた。

「これでアイツも少しは…」

 今は気不味くなってるけど、これを切っ掛けに元通りになれば良かった。

 あわよくば、元以上に進展すれば尚良い。

 恥ずかしがってる場合じゃない。

 ただでさえ、男を惑わす全身凶器の明日香が居る。

 カップから食み出た胸を収める。

 お尻に食い込んだ生地を指先で直す。

 首の後ろと両腰脇の紐を結び直す。

「お、おい、あれ……」

「あ、ああ…。すげぇな……」

 気合いを入れてると、薄い扉を通り抜けてざわめきが聞こえてきた。

「…まさか…」

 再び蘇る嫌な予感。

 脱いだTシャツとショートパンツをバッグに乗せた儘、バッグを掴む。

 バンッと薄い扉を勢い良く開ければ、僅かに茶色が掛かったセミロングの女の娘が振り向く。

「…あ、美奈ちゃん…」

 美人と分類される明日香の赤らんだ顔。

 しかし、それよりも他に目を奪われた。

「あ、アンタ……」
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