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マネキンなカノジョ
第6章 カノジョと砂浜
 
 もう、張り合うなんて次元じゃなかった。

 ハナから勝負にならない。

 同じ土俵にも立ってなかった。

「…これ…」

 明日香が赤らんだ顔で見てくる。

 FカップがIカップに勝てるとは思ってなかった。

 しかし、明日香のそれは水着に因って存在感を更に増していた。

 白く柔らかそうな深い谷間を見せ付けるその殆どが、黒い小さな三角形の生地で乳輪を隠す程度に晒されていた。

 重そうな爆乳を支えるのは、小さな生地から伸びた、首と背中に回った細い紐だけ。

 視線を降ろせば、やはり、辛うじて陰毛を隠す程度の黒い生地。

 その小さい三角形から伸びる細い紐が、腰骨の所で結ばれていた。

 明日香の挑発的なカラダを余すことなく晒した小さな水着。

 明日香の白い肌を僅かな黒が、ホントに必要最小限だけ覆っていた。

「おい…。後から出て来た娘もなかなか……」

「あぁ…。でも、あっちの娘は…ハンパないよ…」

「やだぁ…。あれ、変態女じゃないのぉ?」

「絶対、男漁りしに来ただけよねぇ」

「エロビデオの撮影とかじゃない?」

「あの体、堪らねぇよな」

 周りのざわめきがどんどん大きくなっていく。

「…これ…マイクロビキニ…だって……」

 明日香の顔も、赤みがどんどん増していく。

「…そ、そう……」

「…この前買った下着より…布はある……」

「…そ、そう……」

 どんなイヤらしい下着を買ったのか問い詰めたかった。

 しかし、周りの視線と明日香の姿に、引き攣った表情しか出来ない。

「あの紙袋…中身……それ?」

「…着ろって…」

 コクンと頷く明日香。

 手渡した相手は想像出来てる。

 顔を赤くしながらも、挑発的なカラダを隠そうとしない明日香を前に、明日香とは違う意味で顔を赤くしていった。
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