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マネキンなカノジョ
第6章 カノジョと砂浜
 
…こんなにダッシュするのは何年振りだろ…


 砂に脚を取られそうになりながらも巻き上げながら走る。

 周りの唖然とする人達の姿があっという間に流れていく。

 髪の毛が靡く。

 薄い布地に覆われた胸が上下にボヨンボヨンと弾む。

 いつもより攻めた水着の細い紐が解ける気配は無かった。

 それよりもバウンドで胸の根元に痛みを感じる。

 しかし、立ち止まってる場合じゃない。

 激しい胸の揺れなんて気にしない。

 周りの男たちの視線が胸に刺さる。

 でも気にしない。

「お、おい。あの娘…」

「あの胸…すげぇな…」

 過ぎ去っていく男たちの会話。

 …気にしない。

「揉み解してやりてぇっ」

「ぐにゃぐにゃにしてやりたいよな?」

 擦れ違い様の露骨な会話。

「全部アイツのせいだぁぁぁっ!」

 気にしない訳が無かった。

 顔から火が吹く程恥ずかしくなった。

 もう、形振り構ってられない。

 紐さえ無事なら、いくら胸が弾んでも構わない。

 ストライドを大きくしても、ビキニが取れなきゃ良い。

 早くアイツを懲らしめたい想いが、一段と砂を巻き上げさせた。


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