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マネキンなカノジョ
第6章 カノジョと砂浜
「ったくっ、あのバカ兄貴…」
腰まで海水に浸かって、体に付いた砂を流す。
「穴を掘って埋めるなんて、うら若き乙女にやらせないでよ」
それでも、僅か数分で遣り遂げた自分の体力が空恐ろしい。
パシャパシャと体に海水を掛ける。
冷たさにブルッと鳥肌が立つも、強い陽射しの元では直ぐに暑さが戻ってくる。
「また日焼けしちゃいそ……。
…そいやあの娘……、ちゃんと来たかしら………」
日焼けを気にし始めると、真っ白な肌の明日香を思い出した。
良くも悪くも、言われた通りにする娘。
大丈夫だとは思いながらも、気になって辺りを見回す。
…まさか…あの水着で歩いてなんか………
明日香に押し付けたTシャツは元からピチピチだったと、後から思い出した。
FカップでもきつかったTシャツ。
明日香の爆乳なら、尚更キツかったはず。
「…だ、大丈夫…よね…。いくらあの娘でも、あの姿でそこら……」
見回す視線が止まった。
自分に言い聞かせていた言葉が出なくなる。
「……………」
目を逸らそうと思っても離れてくれない。
いつの間にか、ギュッと唇を噛み締めていた。
少し離れた場所に、車で伸びていたアイツが居た。
しっかり水着に着替えている。
そればかりじゃなかった。
華やかな水着を着た女の娘を両脇に従えていた。
拳をギュッと握った。
華やかな水着に比例して、若々しく立ち振る舞う女の娘たち。
距離がある為に声は聞こえない。
しかし、こっちに気付いていないアイツの表情は緩んでいた。
「…何なんだろ…アタシ……」