この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
マネキンなカノジョ
第7章 カノジョとお泊り
バタンッと扉が閉まる。
部屋に残ったのは、当然先輩と二人だけ。
人口密度が半分になったせいではないかもしれないけど、開け放ったバルコニーの窓から入る風が涼しくて心地好い。
脚をだらーんと放り出して、風の心地好さを堪能する。
先輩は部屋の片隅で、荷物をゴソゴソと漁っていた。
男女四人でお泊り。
何も抵抗は無かった。
砂浜で先輩にアソコまで触られちゃってるけど、気不味さは無かった。
一人空気だけど、みんな昔から仲は悪くない。
だから、何気にお泊りも楽しみだった。
「明日香ちゃん、これこれっ」
物思いに耽っていたら、先輩が小さい紙袋を投げてきた。
ポスッと掌に乗った小さな紙袋。
あの店の名前が入ったお馴染みの紙袋だった。
「…これ…」
中身は大体想像付くけど訊いてみる。
「明日香ちゃん、言ったの持って来たでしょ?」
察しは付くので頷く。
先輩の顔がニヤニヤしだした。
「それも一緒に…ね…」
紙袋の中を覗いてみる。
やっぱり何らかの布切れが入っていた。
先輩を見てみる。
ニヤニヤ度が増していた。
「アイツら居ないしさ…」
言いたい事は分かった。
「暫く帰って来ないし、今の内に…ね」
顔がカアッと熱くなってきた。
日の沈み掛けた外からの涼しい風も効かないくらい、胸の鼓動もドキドキ早まってくる。
「…分かっ…た…」
紙袋を手に立ち上がる。
一度荷物の所に行ってから、両手に小さな紙袋を持ってバスルームに向かう。
「覗いたりしないから、ゆっくりねぇ」
「…煩い…」
パタンッと扉を閉めて、トイレと浴室を兼ねた小部屋に籠もった。
−−−−−−−−
−−−−−
−−