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マネキンなカノジョ
第7章 カノジョとお泊り
 
…気不味い…


 結局、海でも碌に話せなかったコイツと二人、並んで道端を歩いている。

 日が沈み掛けた海岸線。

 空気も僅かに冷たくなって、風が頬を撫で付ける。

「だから、あれは逆ナンとかじゃなくて…」

 すっかりどうでも良くなった事をずっと言い訳してる。

 近くのスーパーまで歩いて片道二十分。

 買い物を含めたら、一時間以上はコイツと二人っきり。

 散歩がてらと称したのが良かったのか悪かったのかは分からない。

「もう、アタシの勘違いだって分かったからっ」

「でも、何だか口を利いてくれないじゃ……」

「はいはい。アタシが悪かったからっ」

 何だか恋人みたいなやり取りに、昼間のモヤモヤが晴れていっていた。

 やはり、何だかんだあっても、コイツから離れるのは無理っぽかった。

「…でも、明日香ともまともに……」


…また…明日香…


 やっぱり直ぐに出て来る明日香の名前。

 早くも心がモヤッとする。

 浮き沈みの激しさに、嫌気がさす。

 この際だからハッキリさせる。

 二人きりの今しか無い。

 そう思った時には、言葉が勝手に出ていた。

「…ねぇ?」
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