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マネキンなカノジョ
第7章 カノジョとお泊り
「あれ? 明日香は?」
美奈の声で、荷物をテーブルに置きながら部屋を見回す。
壁際に座っている先輩しか姿がなかった。
「あぁ…。もう直ぐ…」
さっきまでの先輩とは様子が違っていた。
明らかに言葉が少ない。
何より、目を合わせようとしなかった。
「…何か…やった?」
問い詰める美奈。
「…そのうち…分かる……」
タバコを吹かしながら、視線は海を望むベランダへと向けていた。
既に日は沈んで、月明かりで僅かに波が見える程度。
潮風で白いレースのカーテンが靡いていた。
「まぁ、良いけど…」
先輩の雰囲気に、問い詰める事を諦めた美奈。
テーブルの上に、買ってきた物を並べ始める。
それを手伝っていた時だった。
カチャッと解錠の音と同時に、浴室の扉が開いた。
「っ!!」
何気なく視線を向けた。
瞬間に、美奈と二人して目を見開き言葉を失った。