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マネキンなカノジョ
第2章 カノジョとランジェリー
 
「なぁ? 今日の橘さん……何だかいつもと違くね?」

 不意に耳にした言葉に、向かいに座った男と目を合わせる。

「あぁっ、俺も思ったぜ?」

「だろ? 何だか、いつにも増して色っぽいっていうかさぁ」

「なんか、目とかもウルウルとしてたよな?」

 隣の席で繰り広げられている会話に、箸を動かしながら聞き耳をたてる。

「歩いててもさぁ…。こう…なんてぇの?
 いつもはユサッユサッて感じなのに…」

「今日はバインバインッて感じだろ?」

「あぁっ。そうそうっ、そんな感じっ」

「透けて見えてるブラも、いつもの白じゃなかったもんなぁ」

「何だか、ほっせぇ赤っぽいの見えてたよなぁ」

「いつもの清楚な感じの橘さんもいいけどさぁ…」

「エロい雰囲気の橘さんも、かなりくるもんあるよなぁ」

 昼間にするような会話じゃないと思いながらも、その内容に思い当たる節があった。

 向かいの男と視線が合うと、思わず苦笑した。
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