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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール
「ただいまぁっ」
「うひょぉっ。こっちのカノジョもレベル高いじゃんっ」
「最初は冷やかしかと思ったけど、ガチだったのかよぉ」
「………」
酔った明日香は、いつもの性格に拍車が掛かると改めて認識した。
普段なら、絶対にナンパなんてしない娘。
ただ悪戯に、若い男を誘ってきてと言っただけだった。
そして、語尾にハートが付いてそうな甘い声で戻ってくれば、スーツを着た二人の若い男を従えて戻ってきた。
しかも、いかにもチャラチャラした男たち。
「どお? 言われた通りにしたからねっ」
席に戻って、得意満面に話す明日香を責められない。
指示をした以上、『何で連れてきたの?』とは口が裂けても言えなかった。
「どうしたのぉ? カノジョっ」
どうしようもない状況に顔を顰めていると、テーブルの横から覗き込んでくる男。
近くに居る程、香水の過剰な匂いとチャラチャラしたアクセサリーが気になる。
…それにしたって…
選りに選って、こんなチャラいの連れてこなくても………
「かぁのじょっ。そんな顔顰めてると、可愛い顔が台無しだぜぇ?」
いつの間にか背後に回っていたチャラ男その二も、軽い口調で言ってくる。
「ちょ…ちょっ……と?」
ふと、気になって明日香の様子を見てみれば、追加で来ていたグラスをクピクピと空けていた。
…アンタのせいなのにっ…
……元を糾せば…アタシのせいだけどさ……
…………もう…知らないからね………
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