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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール
まさか明日香が逆ナンに成功するとは思ってなく、更には三対一の多数決で場所を変える事になった。
かと言って、既に酒に呑まれている明日香が遠くまで行ける訳もなく。
結局、チャラ男たちの行き着けだというカラオケボックスに来ていた。
…まぁ…無難よね……
「カノジョは幾つなのかなぁ?」
「…23…」
「オレは25なんだぁ。
…日焼け、健康的で良いよねぇ。どこで焼いたの?」
「…海…」
「カレシとか居ちゃったりするのかなぁ?」
「…秘密…」
…明日香みたいだけど…
それなりに会話になるものね………
テーブルを挟んで向かい合って四人掛けのソファーが置かれた、八人用のそれなりに広い個室。
勝手に隣に座ったチャラ男その二がさっきからしつこくて、イヤで仕方ない。
不機嫌を現すように、組んだ足先のサンダルをパタパタと振る。
組んだ脚の膝に肘を着き、その掌に顎を乗せてそっぽを向く。
無愛想に振舞っているにも拘わらず、その二は気にした様子もなく軽い口調で話し掛けてくる。
「脚綺麗だよねぇ。長いし小麦色でさぁ」
「………ありがと…」
間が開いたのは、決して褒められて照れた訳じゃない。
「スタイルすげぇ良いじゃん」
「………」
明日香の居ない所で聞いていれば、譬【タト】えチャラい男の言葉でも喜んでいたかもしれない。
しかし今は、羨むのがバカらしくなる程にスタイルの良い明日香と一緒。
チャラ男の言葉に更に興醒めして、体の中からどんどんアルコールが抜けていくのが分かる。
…そう言えば…明日香は……?