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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール
 
 明日香に向かって叫ぶ。

 当の明日香は叫ばれた理由が分からないとばかりに首を捻り、明日香の肩を抱いているケンタはジィィィっと胸を見てくる。

 隣に座るヒデアキも、露骨に視線を見上げてくる。

「何でアタシのサイズまで言うのよぉぉぉっ!
 ってか、アンタらも見るなぁぁぁっ!!」

 ドカッとソファーに座って、腕を胸に巻き付ける。

「いやぁ…。アスカちゃんのおっぱいは迫力あるなぁて思ってたけど………」

「ミナちゃんのおっぱいも、見上げて見ると出っ張り具合になかなかの迫力が…」

 言葉を繋げたチャラ男コンビをキッと睨み付ける。

「ま、まぁ、見られても減るもんじゃ無いし…」

「立派なんだから、堂々と…」

「うっさいわよっ」

 胸に巻き付けた腕を離せない。


…アタシだって…
明日香と一緒に居なかったら堂々としてたわよっ……


 反対側に座る明日香の、どーんと迫力のある自己主張が激しい胸に思わず目が行った。


…昔はアタシも羨ましがられた存在だったけど……
アレに比べたら………


 ハァッ…と溜息を一つ吐き、視線を感じなくなると、テーブルの上のグラスへと腕を伸ばしかけた。

「じゃあさ………」

 再び、耳にするケンタの声。

「ん? なぁにぃ?」

 相変わらず幼い明日香の声が続く。


…もう…好きにすればぁ……


 手にしたグラスをグイッと傾ければ、アルコールが体中に回り始める。
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