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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール

叫びながら、捲れ掛かったTシャツを押さえる。
「ちょ、ちょっと何すんのよ、アンタっ!」
声を荒げてヒデアキを睨みつける。
「え? 何って…ミナちゃんの下着チェックしようかとね」
悪びれた様子も見せずに飄々と言うヒデアキの手は、Tシャツの裾を掴んだ儘だった。
「何でアタシの下着までチェックするのよっ!」
「そりゃあ、アスカちゃんの次ときたら……」
「やっぱ、ミナちゃんもチェックしないとねぇ」
「美奈ちゃんも一緒にぃっ」
ニヤニヤとしながら調子に乗っているチャラ男コンビに続いて、明日香までも便乗してくる。
「アンタまで何言うのよっ!?
大体アンタがはいはい言う事聞くか…」
明日香に向かって睨みながら叫んでいた時だった。
「…素直にしとかないと……。
ミナちゃんは無事でも、アスカちゃんはどうなるか……知らないよ?」
不意にヒデアキの囁く声が耳に届いた。
ハッと顔を向ければ、ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべたヒデアキの顔。
「…意味…分かるよね?」
反対側の明日香には聞こえないような小さな声。
チラッとケンタに視線を向ければ、ケンタは明日香の太腿に手を滑らせながらニヤニヤとしていた。
チャラ男コンビの本性を悟った瞬間だった。
何があろうと、昔から付き合ってる明日香を酷い目には遭わせたくなかった。
俯いて唇を引き締める。
いくら考えても、今の明日香の状態だとどうする事も出来なかった。
「………分かったわよ…」
口を開けば、胸が悔しさでいっぱいだった。

