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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール
 
「じゃ、アスカちゃんみたいにパーッと……」

「うっさいわよっ」

 ブラウスが開け、M字開脚の儘でいるアスカの隣から聞こえてきた声に怒鳴り返す。

「美奈ちゃん、ファイトぉっ」

 底抜けに明るい声に励まされ脱力する。


…誰のせいでこんな事になってると思うのよっ!


 心の中で明日香に文句を言う。


…まぁ……あの娘が全部悪い訳じゃないのは……分かってるつもりだしね………
あの性格だって……治せないんだろうし………


「さっ、いってみよっ」

 思わず思考に耽りそうになっていたのを、ヒデアキが引き戻した。

 ニヤつくヒデアキをキッと睨む。


…もぅ…何があってもアタシと明日香の仲は変わらないんだし………
女は度胸なんだからっ……


 意を決して、腕を交差させてTシャツの裾を掴む。

 三人の視線を感じる。

 複数の目の前でシャツを脱ぐなんて今までなかった。

 脱ぐ事があるなんて考えもしなかった。

 思わず、裾を掴んだ手に力が入る。

 腕を上げる動作を躊躇う。

 見詰めてくる視線に、俯いた顔が熱くなってくる。

「どぉしたのかなぁ?」

 冷ややかなケンタの声に見遣ると、今にも明日香を襲うような動作を見せる。

 そんな動作を明日香は見ていないのか、意味を成していない下着を晒け出した儘、笑顔でジッと見詰めてくる。

「わ、分かってるわよっ」
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