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マネキンなカノジョ
第2章 カノジョとランジェリー
 
「やっと昼休みぃ」

 周りをガラス張りの高いビルに囲われた、三階建ての屋上に出る。

 扉を開ければ、ガランとした空間に人影は無かった。


…いつもながら誰も居ない……
……周りから見られてるかと思うと、出にくいよね………

 実際には見られていないのかもしれないが、周りを囲まれている事で、屋上に死角は無いに等しい。

 そんな中に出るのは明日香くらいだった。

「気にしなきゃいいと思うんだけどなぁ…」

 扉から出て右へ曲がり、いつもの定位置である塔屋の壁に凭れて座る。

 膝丈のスカートを纏った脚を横に揃え、屋上の床に女の子座りで座ると手にした小さいお弁当を頬張る。


…もう……
何でみんな……言う事聞いちゃダメとか………
何でもなんて………そんなつもり無いのに………


 仲の良い人達から連日言われる事に、いい加減辟易していた。


…私……そんなイメージかなぁ………


 小さな口をモグモグと動かしながら考え込む。

 一人考え事をしながら昼食を摂っていると、カチャッと扉が開く音が耳に飛び込んで来た。


…滅多に人来ないのに……誰だろ………


 モグモグと口を動かした儘、左手に視線を動かす。

「何だ。昼はこんなトコに居たんだね、明日香ちゃん」
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