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マネキンなカノジョ
第4章 カノジョとネット
 
「ああっ! もうっ!」

「…結局…たいした事……なかったんだよね?」

「たいした事あったけど、たいした事なかったわよっ」

 訳分からない言い回しに、反対側に座る男は首を傾げた。

「とにかくっ。もう大丈夫っちゃあ大丈夫よっ」

「意味分からないけど…。結局…大丈夫だったんでしょ?」

「だぁかぁらぁっ。一応、大丈夫だってばぁっ。
 気になるなら、自分で確認してきなさいよっ」

 やはり、二人で居ても、話題は明日香の事ばかりだった。

「何だか、橘さん、戻っちゃったみたいだな?」

「くうぅっ…。あの色っぽい橘さん………。良かったのになぁ………」


…当たり前でしょっ…
あんな格好させてたら、どうなるか分かったモンじゃないわっ………


 隣の席から聞こえてきた男たちの会話。

 それに心中で突っ込みながら、箸を動かす。

「でもまぁ、助かったよ。明日香に何かあったらって思うと………」


…ナニかはあったけどね……
てか、アタシに心配はしてくれないのかぁ………?


 口に箸を咥えながら、ジトーッと視線を向ける。

 しかし、反対側の男には伝わってないらしく、ニコニコと安堵の笑みを浮かべていた。


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