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マネキンなカノジョ
第4章 カノジョとネット
「…楽だ…」
いつもの屋上で壁に寄り掛かって思わず呟く。
直ぐにお弁当を食べる気にならなかった。
暫く寄り掛かった儘、何と無く周りのビルを見回す。
…果たして…
この沢山あるビルの、沢山ある会社にいる沢山の社員……
そのうちの何人くらい、同じようにお尻痛いのかな………
……って……何考えてんだろ………
思わず同志を求めていた事に苦笑する。
体を屈めてお弁当を取ると、立った儘の状態で箸をつけた。
「…早く…ヒリヒリ……治まらないかな………」
絶え間無く続く痛みに意識を奪われ、ご飯の味も集中して味わえない。
それでも箸を動かしながら、アナルっ娘への道は諦めてなかった。
「…負けない…」
「ん? 何に?」
呟いた言葉に問い掛ける声。
その方へと顔を向ければ、相変わらず軽い先輩がそこに居た。
「立ち食いなんて…どうしたん?」
長い茶髪を風に靡かせて、白い歯をキラッと輝かせる先輩。
「…気分転換…」
お尻のアナが痛いからとは言えない。
先輩からの情報でこうなってるとは言いたかったが堪える。
アナルのヒリヒリに耐えながら、箸を動かして咀嚼する。
口を開くと何か余計な事を言いそうで怖かった。
さりげなく近寄ってきた先輩を気にする事無く、箸を動かし続ける。
顔が耳元に近付いても気にしない。
「…アナルっ娘……なれそう?」
「…ぶっ…」
その囁きに、口からご飯粒が吹き出した。