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マネキンなカノジョ
第2章 カノジョとランジェリー
 
 お弁当を片しながら口にした瞬間、先輩の表情が険しくなった。

「どうか…?」

 先輩は見られていたのに気付いていなかったのか、慌てていつもの爽やかな表情に戻った。

「い、いや。気にしないで」

 何であんな表情になったのか分からず、顎に人差し指を当てて首を傾げる。

「んでも…そっかぁ……」

 切れ長の瞳で見詰めていると、先輩はひとりごちていた。

「先輩…?」

「あ、あぁ。いや…。ほ、ほらっ。やっぱ、俺の言う通りだったろ? アイツも男だから、ああいうのもアリだって」

 慌てた素振りを見せながら言った先輩の言葉に、お弁当を脇に置いてコクンと頷く。

「だから、俺の言う通りにしてればさ…」

 そう言う先輩の視線が、制服に包まれた体を胸から足先へと動いて行った。

「…そうかも」

 そんな視線も度々あるから気にせずに短く返事をする。

「だろ? だろっ?」

 その言葉に先輩は更に笑顔になり、頭を撫でてくるのだった。


…やっぱり…
みんなが何て言っても、私はやりたいようにやるだけなんだから………


 そんな決意を改めてしていると、再び先輩の声が耳に飛び込んで来た。

「じゃあさ。昼休みもう少しあるから、続き教えてやるよ」


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