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マネキンなカノジョ
第2章 カノジョとランジェリー
「ホント…アイツはどうしてあぁなんだろ」
箸で掴んだ唐揚げを口の中に放り込む。
「まぁ、あの娘の性格なんだろうけどねぇ」
テーブルを挟んで向かいに座る女性が、可愛らしい顔立ちに苦笑いを浮かべていた。
「幼なじみとしては心配だよ」
「本当に幼なじみとして…なのかな?」
苦笑を浮かべながら言葉を吐くと、女性はニヤニヤとした笑みを浮かべる。
「そ、そりゃ、もう二十年以上傍に居るからさぁ。
歳も一つ違うし、妹…って感じかなぁ」
「ふぅん…。動揺してるのが怪しいけど…」
「いきなりそんな事訊かれたら、動揺だってするよ」
「ま、そういう事にしておいてあげるっ」
動揺を隠そうとご飯を掻き込んでいると、女性は不満げではあるものの、漸く追求を止めてくれた。
「でも、本当にあの娘の性格はねぇ…。見ているアタシもたまに不安になっちゃう」
『全くあの娘は聞く耳持ってくれないし』と女性は嘆息混じりに言葉を締め括った。
「それは同じ部署に居るんだから宜しく頼むよ。俺は外回りばっかだから、なかなか目が届かないしねぇ」
「……本当に幼なじみとして…?」
口早に言葉を吐き出すと、向かいに座る女性が目を据わらせてジトーッとした視線を向けてくる。
「だ、だから、そうだってっ」
何やら剣呑とした雰囲気が漂い始め、話題を変えようと口を開いた。
「そういや、アイツはいつも昼休みって何処に…」
「はぁ…。折角、アタシと二人で食事してるのに、結局話題はあの娘なのねぇ」
「い、いや……は…はは………」
「あの娘はいつも昼休みになると、お弁当持って何処か行ってるわよ」
棘がある女性の言葉に、ますます雰囲気が怪しくなってくる。
その雰囲気に飲まれて料理の味が分からない儘、食事を続けた。
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