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マネキンなカノジョ
第5章 カノジョとお使い
ますます気分はがた落ち。
「…大雨で……あちこち通行止めらしくって…迎えが………」
運転手の言葉。
その言葉を皮切りに、バスの窓に雨粒がポツポツ。
それはやがて、バケツをひっくり返した様に、激しい音を立てて雨が降り出した。
雨が吹き込まないように、二人してバスの窓を閉めていった。
僅かな隙間を残して閉め切った車内。
当然、不快感を煽る熱気が車内に籠もる。
「…暑い…」
エンジンも掛からず、空調が効かない車内。
額に汗が滲み出してくる程の暑さ。
運転手は上着は疎か、ワイシャツまで脱いでいた。
「いやぁ…。この暑さは…堪えるねぇ」
プヨプヨとした体をタンクトップで包んだ運転手。
見ていると余計に暑く感じそうなだけに、平然を装って視線を外に向けていた。
しかし、制服の下では再びジットリとした嫌な感触。
おっぱいの谷間や裏側に不快感がハンパなかった。
かと言って、窓を開けようものなら、あっという間に車内が水浸しになるのは一目瞭然の大雨。
僅かな抵抗で、胸元のリボンを緩めてブラウスをパタパタと扇ぐ。
「お姉さんも無理しない方がいいよぉ?
熱中症なんて怖いし、おじさんからは見えないから、安心していいよぉ」
嫌らしさは感じさせない言葉。
確かに、運転席でだらけていて、ルームミラーなんて見ていない様子。
何より…暑い。
夕暮れで雨が降れば涼しさが増すかと思えば、今回は逆だった。
ムシムシ感がハンパない。
再度、チラッと運転席を見遣る。
…確かに…熱中症で動けなくなるとか……
流石にイヤ…だよね……
運転手は席から微動だにしてなかった。