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狂人、淫獣を作る
第2章 捕獲
※ ※ ※
リナが後藤の塾に通い出してからしばらく経ったある日のことだった。
後藤は授業の後リナを車に乗せ、ある場所へ向かった。
「あの……どこへ……?」車中で学校帰りで制服姿のままのリナは不安そうに言った。
後藤は信号待ちの時に、助手席のリナのひざの上に数枚の書類をバサっと置いた。
リナにはその書類に何が書かれているかすぐに理解できた。
「すみません……」リナは書類――成績表を広げながら消え入りそうな声で言った。「やっと先生が……捕まったって聞いてから……自分でも分かんないんです、安心できると思っていたのに余計不安になって、勉強が手につかなくなって……」
「言い訳か?」後藤は信号が青になったのを見て再びアクセルを踏んだ。
「……いえ、そんなことは……」
「あいつとのことを思い出して、セックスというものが忘れられない、とでも?」
「それは絶対ありませんっ!……本当に……後悔してます……」
そう言ってリナはすすり泣きを始めた。
そのすすり泣きは後藤を戸惑わせることもなく、狼狽させることもなく……
ただ嗜虐心を燃え上がらえた。
その炎に導かれた欲情はスラックスの中の肉棒を固く膨張させた。
後藤は何も言わず、車を運転し続けた。
やがて、後藤はリナを『調教部屋』のあるビルへと連れてきた。
――いよいよだ。
――邪魔者は……野田はもう戻ってこない。
後藤は、めったに感じることのない緊張感と高揚感に手のひらに汗がにじみ出るのを感じた。脈拍も上がっていくことを自覚した。体の内側に逃げ場のない煙のごとく欲情の渦が黒く充満していくのを感じていた。
――この。
――吐きそうになる感覚が。
――心地いい……!
後藤に連れられて『調教部屋』に入ったリナは、呆然と突っ立った。