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第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる

本音ではない？
フェイクなんだ！
俺を惑わすッ。

今度は散布するような炎を上空から吹きつけた。

「散開っ！」

ダーベラの声でクローターとキルラムが素早く散る。
アズダールは、正面からバリアーで受けきった。

直後、リンドブルムが上空から襲ってくる。
着地地点からもっとも近くにいたアズダールは、その鋭利なかぎ爪に空を斬らせた。

先ほどの炎とは明らかに違う、地響きを思わせる振動音とともに地面に降り立つ。

「うぉぉぉ！」

―‐フルンッ！フルンッ！
キルラムの投げ放った大斧が大回転しながらリンドブルムの胴体部に突き刺さった。

「グォォォォォォ！」

リンドブルムは反り返って雄叫びをあげた。
そして斧を咥え、すぐに吐き捨てる。

その間に翼が矢で何本も射抜かれ、穴が開いてしまった。

矢で翼を射抜いただと!?

矢は黒魔術で威力を増していた。
空に飛べても機動力を失った瞬間だった。

「終わりだ！」

ダーベラがデュランダルに炎を巻き上げながらリンドブルムに突っ込んだ。
リンドブルムは迎え撃つため、その場で回転し尻尾でなぎ払おうとした。

「だぁぁぁ！」

ダーベラはジャンプで回避、そのまま全力でデュランダルを翼竜の顔面に叩きつけた。

「グギャァァァ！」